2006年12月07日

筋肉列伝~消防士君2

今朝はどんより曇り空。気温も上がって蒸し暑い。そうだこんな日、釣り行かず、筋力アップに励みましょ。
ということで今日は朝から体育館に向かった。昨日書いた筋肉列伝の続きがあったよ。
あとでその「外伝~モーホーク族」も書いておこう。
筋肉列伝~消防士君2

消防士君2

昨日の続きである。昨日の読んでない人は「消防士君1」を読んでくれ!

那覇市民体育館に行く時間帯を変え、朝一番乗りを目指すようになった。それは器具を使うのに順番を待たずにすむからだ。
同じ時間帯には同じ人が来るもので、その中で小さなコミュニティを作りコミュニケーションを図るようになっているようだ。
僕はこの時間帯の新参者だったので、最初のころは黙々と自分に課したメニューを消化していた。そんな中異常とも思える内容をこなしていたのが「消防士君」だった。あまりのハードさと東南アジア人のような風貌に声を掛けられずにいたのだ。
彼は先ず一番に来る。30分ランニングマシンで全力疾走する(1人30分と決まっている)。その後エアロバイクで最大負荷をかけ全力疾走1時間(ときには3時間てこともあった)。続いてバーベルを使う。ベンチプレスでは最大負荷(当時は120kgまでのプレートがあった)で5、60回、スクワットは最大負荷で延々とやっている(数え切れない)。その後腹筋も背筋も始めたら延々とやっている(下には汗のプールができていた)。チンニングは背中に20kgのダンベルを二個入れたリュックを背負って延々とやっている(動きがまるでテンポの速い太刀魚だった)。恐ろしいことにこんなメニューをこなしながらインターバル(休憩)をまともに取らない。一人SMである。医学的におかしいとさえ思った。
こんなトレーニングしてる人に声を掛けられずにいるのも頷けるでしょ。彼は週に4回くらいは来ていたと思う。

圧巻は僕が釣りに出かけたときに起こった。朝8時くらいの遅出で南部の玉城方面に釣りにいったときである。途中一日橋辺りのコンビニによって飲み物を買った。車に乗り込もうとしたら那覇方面から手に大きなペットボトルを二個携え、リュックを背負った男が走ってくる。ジョギングなのかぁすごいなぁと思い、車にキーを挿し込み、まさにキーをひねろうとした瞬間、「あれっ」と思った。走ってくるのは例の彼である。そのころ僕の中では彼は「消防士君」ではなく「超人君」であったので、「あっ超人君だ!やっぱすごいなぁ~」と思いながら車をスタートさせた。そのとき考えたのが「彼はどこから走ってきたのだろう」という疑問だったと思う。しかしこの疑問は後ほど意味の無いものになるのだが・・・。

僕は南部方面に与那原周りで出かけ、釣れないまま9時ちょいすぎにとって返していた。知念のサンライズ知念くらいに差し掛かったとき、対向車線側を上ってくる「超人君」を見た。これだけでも
「うわ~っすごい!こんなとこまで走ってきてる!」となるよね。さてその日はそのまま家に帰ると、義理の母からちょっと奥武島まで連れてけといわれ、すぐまた車を出した。糸満方面周りで奥武島まで向かったのがその途中具志頭の三叉路あたりで彼をまた発見した。ず~っと走っているのである。手には何やら透明の液体が入った大きなペットボトルを持って。リュックにも何か重いものが入っているはずだ。
奥武島で用事を終え帰途に着いた僕は密かに、もう一度彼を見かけるかもしれないという期待を抱いていたと思う。案の定、喜屋武で走っている彼を見かけた。僕は感心に感心を重ね、彼の中に見出した人間の限りない可能性に憧れを抱いた。

翌々日は僕のトレーニング日だ。行くと既に彼が来ていた。僕が先々日見たことを彼に話すことでコミュニケーションを持てると思い、彼に話しかけた。初めて彼としゃべったのだ。彼はものすごくシャイでもじもじしていた。僕らの会話を途中から入ってとりなしてくれたのが、やはりそのとき初めて会話した新垣さんだ。なぜ新垣さんが必要だったかというと、「超人君」はまるでジャングルで発見されたアマラとカマラのようにたどたどしい日本語を変な言葉の切り方で話すので僕らの間で会話がなかなか成立しなかったのだ。それを見かねてのことだった。新垣さんは「超人君」とは仲良しで、「超人君」も新垣さんと話すときには言葉がスムーズだった。彼にどうしても聞こうと思ったことがあったのでそのことを質問した。

タカ 「あの日はどれだけ走ったの?」
超人君「・・・わ・か~らな・いです。あ・の・日は日~が沈む・まで走ろう・と思った~から・・・」
タカ 「・・・・」
もう何km走ったのかなんてどうでもよくなったよ。

後日新垣さんから彼のことを詳しく聞くことができたので知りえたことがいくつかある。

1、 彼のあだ名は「あっちゃん」だ。
2、 彼はコンビニで夜間のアルバイトをしていて、バイト空けにトレーニングをしに来る。したがって寝ていない。
3、 彼は23歳だ(当時)。
4、 彼は消防士を目指している。
5、 彼は日本人だ。東南アジア人ではない。
6、 彼はシャイだ。だからコミュニーケーションがうまく取れない。

以上である。ハードなトレーニングの理由は消防士になるためだったのだ。後でその試験のメニューを教えてもらい、彼ほどのメニューをこなす必要がないことがわかったがね。

この後、彼のトレーニング姿勢は僕に絶大な影響を与えることになった。そして彼のことを畏敬の念をこめて
「消防士君」と呼ぶようになったのだ。僕の中で「消防士君」という実像ができたのだ。

この後、彼は夢を叶えることができたかどうか・・・

次回に続く

沖縄にお住まいではない方・・誠にすみません。地名等でよくわからないとこがでてきてます。探してみてください。 ペコ

クリスマスもあとちょっとだね。
コカコーラをクリックするとおもしろいよ!





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Posted by Stun・・・タカ at 15:44│Comments(0)筋肉列伝
 
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