2007年02月20日
セルロースセメントについて
TRACYさんへ。
コメントを発見できずに返答できませんでした。ごめんね!
コメントを発見できずに返答できませんでした。ごめんね!
さて今日はセルロースセメントの質について述べてみよう。
いったいどんなものかというと・・・
ニトロセルロースの発見は,シェーンバイン[独]が実験を失敗したことがきっかけになっている[1845年(1833年という説もある)]。彼は,机の上に薬品(硝酸と硫酸の混合物)をこぼし,手近にあった奥さんの木綿製のエプロンでふき取り,濡れたエプロンをストーブの上に吊して乾かした。エプロンが乾くと,まもなく煙のように消えてしまったのである。実は,木綿(セルロース)が硝酸と硫酸の混酸によってニトロ化されて,ニトロセルロース(硝化綿)に変化したため,瞬間的に燃え尽きたのである。この偶然のできごとを糸口に,彼はニトロセルロースの一般的な性質まで明らかにしたのである。
このニトロセルロースの発見が,ハイアット兄弟によるセルロイドの発明やシャルドンネによる人工絹糸(レーヨン)への繊維化などの合成繊維やプラスチックを生み,かつ同じニトロ化合物のニトログリセリンと混ぜたノーベルのダイナマイトの発明へとつながったのである。
ニトロセルロースは,セルロース中の水酸基をニトロ化したものである。すべての水酸基をニトロ化すると窒素量が14.14%となるが,14%以上のニトロセルロースを合成するとことは難しい。水酸基のニトロ化される割合(窒素量[%])によって性質や用途が表のように異なっている。硝化綿(パイロキシリン)は窒素量が約11%以下のものを指すが,日本では,約13%以上のものを強綿薬,約10~12%のものを弱綿薬と呼び区別している。
主な用途はラッカー塗料、続いて火薬である。かつてはロケットエンジンの推進剤などにも使用された。
ニトロセルロースを主成分として各種の添加剤を加えて造粒した火薬は黒色火薬に替わる小火器、火砲の発射薬として使用されている。発射にあたって大量の白煙を上げる黒色火薬に比して無煙火薬と呼ばれる。また開発者の一人であるフレデリック・エイベルによる「コルダイト」の名称でも知られる。このうち主にニトロセルロースのみを使用した火薬をシングルベース火薬と呼ぶ。現在のほとんどの拳銃や突撃銃が弾薬としてシングルベース火薬を使用している。燃焼の調整を目的としてニトロセルロースにニトログリセリンを加えたものをダブルベース火薬、さらにニトログアニジンを加えた物をトリプルベース火薬と呼ぶ。こちらは主に大口径火砲の装薬として使用されている。
というわけ。結構やばいもの(笑)学生のときにニトロ化したセルロース繊維を使って導火線作ったことがありますよ。おもしろかったなぁ(反省)
さてさてルアービルディングで必要とされるその質は、セルロース含有量だと思っている。これは結局のところ窒素含有量に関係があるかもしれない。
セルロース含有量はリリースしている会社の製品によってかわる。セルロース含有量が高いとどうなるかと言うと、
粘性が高まる。1回のディッピングで相応の皮膜を形成するし、強度も高まる。
もしかしたらこのことを
「じゃぁ薄めずに使えばいいんじゃないの?」と言う人が出てくるだろう。前述したとおり会社によって成分が違うので薄めずに使ったとしても皮膜の厚さは変わらずとも強度にかなりの違いが出てくる。
それで信頼の置ける会社のものを使わないと、後から割れが出てきたり黄変したりすることになってしまう。
僕は今までにいろんな会社のものを使ってみた。アクセルやTOHO、フェザー、HMKL、アングルなどである。試してみた人がいればわかるだろうが、それぞれかなり使用感は異なる。個人的に最もよかったのはHMKLであった。しかし値段が結構高い。数をこなす人にとってセルロースセメントはすぐなくなるのだ。だからコスト高のものを高い送料を使って購入するのは大変だろう。
僕の住んでいる沖縄ではフェザーのものは車で買いにいける。それでしばらくフェザーを使っていた。悪くはないが数をこなすとなるとこれもコストがかかるのだ。HMKLと比べるとセルロース含有量というか粘性に問題ありだとは思っていた。
それからずっとこのとき思っていたのが、アングルの「ハンクル用」という表示である。ハンクルは独自にHMKLセルロースを出しているのでなんか妙だなと思っていた。使ってみてもどうも同じものだと思えない。
そうこうしてる中、FOK(藤倉応用化工)のセルロースとであった。通販で購入することが出来たのでどんなものかという思いで購入し使ってみた。
悪くない!なんかHMKLセルロースに近い感じがした。
量的にまとめ買いしちゃえと言う思いから1斗缶で購入した。使用感はすこぶるよい。更にどうもHMKLセルロースを使ってたときとおんなじ様な感覚がしてくる。
「???」こんな感じになってしまった。
ネット上で相当踏み込んだ話で盛り上がるサイトを覗くと、やはり僕が思ったとおり、HMKLセルロースはFOKのOEMであることが判明した。さらに複数の一線で活躍されているプロビルダーのかたのお話を伺うと、どうやらそのとおりだと言う。するとアングルの「ハンクル用」というのは別にハンクルで使用しているものではなく、「ハンクルみたいなミノーを作るときに使えば!」見たいな乗りのキャッチコピーなのであろうと推察できる。決して質的に同じものとはいえないからね。
さてさてそういうわけで現在FOKのセルロースを使っているわけですよ。HMKLセルロースの小売価格から考えると、質は全く同じで非常にリーズナブル!
これを濃度を変えて3種用意し、工程に応じて使い分けています。
近隣の方で必要な人にはお分けできますよ。
いったいどんなものかというと・・・
ニトロセルロースの発見は,シェーンバイン[独]が実験を失敗したことがきっかけになっている[1845年(1833年という説もある)]。彼は,机の上に薬品(硝酸と硫酸の混合物)をこぼし,手近にあった奥さんの木綿製のエプロンでふき取り,濡れたエプロンをストーブの上に吊して乾かした。エプロンが乾くと,まもなく煙のように消えてしまったのである。実は,木綿(セルロース)が硝酸と硫酸の混酸によってニトロ化されて,ニトロセルロース(硝化綿)に変化したため,瞬間的に燃え尽きたのである。この偶然のできごとを糸口に,彼はニトロセルロースの一般的な性質まで明らかにしたのである。
このニトロセルロースの発見が,ハイアット兄弟によるセルロイドの発明やシャルドンネによる人工絹糸(レーヨン)への繊維化などの合成繊維やプラスチックを生み,かつ同じニトロ化合物のニトログリセリンと混ぜたノーベルのダイナマイトの発明へとつながったのである。
ニトロセルロースは,セルロース中の水酸基をニトロ化したものである。すべての水酸基をニトロ化すると窒素量が14.14%となるが,14%以上のニトロセルロースを合成するとことは難しい。水酸基のニトロ化される割合(窒素量[%])によって性質や用途が表のように異なっている。硝化綿(パイロキシリン)は窒素量が約11%以下のものを指すが,日本では,約13%以上のものを強綿薬,約10~12%のものを弱綿薬と呼び区別している。
主な用途はラッカー塗料、続いて火薬である。かつてはロケットエンジンの推進剤などにも使用された。
ニトロセルロースを主成分として各種の添加剤を加えて造粒した火薬は黒色火薬に替わる小火器、火砲の発射薬として使用されている。発射にあたって大量の白煙を上げる黒色火薬に比して無煙火薬と呼ばれる。また開発者の一人であるフレデリック・エイベルによる「コルダイト」の名称でも知られる。このうち主にニトロセルロースのみを使用した火薬をシングルベース火薬と呼ぶ。現在のほとんどの拳銃や突撃銃が弾薬としてシングルベース火薬を使用している。燃焼の調整を目的としてニトロセルロースにニトログリセリンを加えたものをダブルベース火薬、さらにニトログアニジンを加えた物をトリプルベース火薬と呼ぶ。こちらは主に大口径火砲の装薬として使用されている。
というわけ。結構やばいもの(笑)学生のときにニトロ化したセルロース繊維を使って導火線作ったことがありますよ。おもしろかったなぁ(反省)
さてさてルアービルディングで必要とされるその質は、セルロース含有量だと思っている。これは結局のところ窒素含有量に関係があるかもしれない。
セルロース含有量はリリースしている会社の製品によってかわる。セルロース含有量が高いとどうなるかと言うと、
粘性が高まる。1回のディッピングで相応の皮膜を形成するし、強度も高まる。
もしかしたらこのことを
「じゃぁ薄めずに使えばいいんじゃないの?」と言う人が出てくるだろう。前述したとおり会社によって成分が違うので薄めずに使ったとしても皮膜の厚さは変わらずとも強度にかなりの違いが出てくる。
それで信頼の置ける会社のものを使わないと、後から割れが出てきたり黄変したりすることになってしまう。
僕は今までにいろんな会社のものを使ってみた。アクセルやTOHO、フェザー、HMKL、アングルなどである。試してみた人がいればわかるだろうが、それぞれかなり使用感は異なる。個人的に最もよかったのはHMKLであった。しかし値段が結構高い。数をこなす人にとってセルロースセメントはすぐなくなるのだ。だからコスト高のものを高い送料を使って購入するのは大変だろう。
僕の住んでいる沖縄ではフェザーのものは車で買いにいける。それでしばらくフェザーを使っていた。悪くはないが数をこなすとなるとこれもコストがかかるのだ。HMKLと比べるとセルロース含有量というか粘性に問題ありだとは思っていた。
それからずっとこのとき思っていたのが、アングルの「ハンクル用」という表示である。ハンクルは独自にHMKLセルロースを出しているのでなんか妙だなと思っていた。使ってみてもどうも同じものだと思えない。
そうこうしてる中、FOK(藤倉応用化工)のセルロースとであった。通販で購入することが出来たのでどんなものかという思いで購入し使ってみた。
悪くない!なんかHMKLセルロースに近い感じがした。
量的にまとめ買いしちゃえと言う思いから1斗缶で購入した。使用感はすこぶるよい。更にどうもHMKLセルロースを使ってたときとおんなじ様な感覚がしてくる。
「???」こんな感じになってしまった。
ネット上で相当踏み込んだ話で盛り上がるサイトを覗くと、やはり僕が思ったとおり、HMKLセルロースはFOKのOEMであることが判明した。さらに複数の一線で活躍されているプロビルダーのかたのお話を伺うと、どうやらそのとおりだと言う。するとアングルの「ハンクル用」というのは別にハンクルで使用しているものではなく、「ハンクルみたいなミノーを作るときに使えば!」見たいな乗りのキャッチコピーなのであろうと推察できる。決して質的に同じものとはいえないからね。
さてさてそういうわけで現在FOKのセルロースを使っているわけですよ。HMKLセルロースの小売価格から考えると、質は全く同じで非常にリーズナブル!
これを濃度を変えて3種用意し、工程に応じて使い分けています。
近隣の方で必要な人にはお分けできますよ。
Posted by Stun・・・タカ at 10:07│Comments(7)
│メイキング
この記事へのコメント
タカさん こんにちは!セルロースについて初めて知ることが多く参考になりました。昔、ハンドメイドやってたので、再び作ってみたい気持ちに火がつきそうです。
Posted by オニさん at 2007年02月20日 12:34
オニさん
どうもいらっしゃい!
ハンドメやってたんですね。ボトムのチヌ攻略のためのルアー作ってみたら!!
どうもいらっしゃい!
ハンドメやってたんですね。ボトムのチヌ攻略のためのルアー作ってみたら!!
Posted by タカ at 2007年02月20日 15:41
そろそろセルロが底をつきそうなので家が落ち着いたら購入しに伺います、ラッパ吹いて待ってて下さい(ゆしどうふ風に)。
Posted by サンバイザー at 2007年02月20日 21:33
前歯の溶けたヤンキーが「分けてください〜」って来たら怖いかも…
Posted by 看護師 at 2007年02月20日 21:34
サンバイザー殿
引越しお疲れ様!
セルロはたんまりあるからどうぞ!
看護師殿
セルロは心配ないけど・・・普通には売ってないシンナーを保管してるからそっちが心配だわ。でもこれ使うと発色がいいんだよね。
引越しお疲れ様!
セルロはたんまりあるからどうぞ!
看護師殿
セルロは心配ないけど・・・普通には売ってないシンナーを保管してるからそっちが心配だわ。でもこれ使うと発色がいいんだよね。
Posted by タカ at 2007年02月20日 21:47
はじめまして、東京の下町でドブシーバスを
自作で狙ってるオヤジビルダーです。
藤倉のセルロなんと通販で買えるとはビックリですな
一昨年くらいまで直販店で買ってましたが、店が無くなったため
やむなくナガシマ製を使ってました。
さっそく注文してみます。貴重な情報ありがとうがざいました。
セルロースについても勉強になりました。
ルアーどれも素晴らしい出来ばえですな、ホロフィルム貼り
曲率があるのに見事に貼られてますね感心しました。
そちらは釣り物といい環境といい羨ましいかぎりです。
自作で狙ってるオヤジビルダーです。
藤倉のセルロなんと通販で買えるとはビックリですな
一昨年くらいまで直販店で買ってましたが、店が無くなったため
やむなくナガシマ製を使ってました。
さっそく注文してみます。貴重な情報ありがとうがざいました。
セルロースについても勉強になりました。
ルアーどれも素晴らしい出来ばえですな、ホロフィルム貼り
曲率があるのに見事に貼られてますね感心しました。
そちらは釣り物といい環境といい羨ましいかぎりです。
Posted by ire_gui at 2007年02月22日 20:00
ire_guiさん イラシャイマセ!
お褒め頂き光栄でございます。シーバスゲームは楽しそうですね。今の時期はとても寒い中がんばっていらっしゃる方が多いと聞きます。ire_guiさんもそのうちの一人でしょうか?また遊びにいらしてくださいね。
お褒め頂き光栄でございます。シーバスゲームは楽しそうですね。今の時期はとても寒い中がんばっていらっしゃる方が多いと聞きます。ire_guiさんもそのうちの一人でしょうか?また遊びにいらしてくださいね。
Posted by タカ at 2007年02月22日 20:06